FX(外国為替証拠金取引)は、為替レートの変動によって利益を得ることができる投資方法です。
しかし、FXはリスクも高く、損失を出す可能性もあります。そこで、FX初心者にとって重要なのが、取引ルールを決めることです。
FX初心者に取引ルールって必要?
取引ルールとは、自分がどのような条件でエントリー(買いまたは売りの注文)やエグジット(決済の注文)を行うかを明確に定めたものです。取引ルールを決めることで、自分の感情や勢いに流されずに、冷静に取引を行うことができます。
また、取引ルールを守ることで、自分のトレードスタイルやパフォーマンスを客観的に評価することもできます。
では、FX初心者はどうやって取引ルールを決めればいいのでしょうか?ここでは、取引ルールを決める際に考慮すべきポイントを紹介します。
1.取引する通貨ペアや時間帯を選ぶ
FXでは、世界中のさまざまな国や地域の通貨ペアを取引することができます。しかし、すべての通貨ペアや時間帯が自分に合っているとは限りません。通貨ペアや時間帯によって、為替レートの動きや流動性が異なります。
そのため、自分のトレードスタイルや資金量に応じて、取引する通貨ペアや時間帯を選ぶ必要があります。
例えば、短期的な値動きに注目してスキャルピング(数秒から数分で利益を得る手法)を行う場合は、流動性が高くスプレッド(売値と買値の差)が狭いメジャー通貨ペア(米ドル/円など)がおすすめです。
また、日本時間の夜間から早朝にかけては欧州や米国の市場が開いており、為替レートの変動が大きくなります。そのため、トレンドフォロー(長期的な値動きに沿って取引する手法)を行う場合は、この時間帯が有利です。
一方、中長期的な値動きに注目してスイングトレード(数日から数週間で利益を得る手法)を行う場合は、流動性が低くスプレッドが広いマイナー通貨ペア(豪ドル/円など)やクロス通貨ペア(米ドル以外の通貨同士の組み合わせ)も選択肢に入ります。
また、日本時間の昼間は欧州や米国の市場が閉まっており、為替レートの変動が小さくなります。そのため、スイングトレードを行う場合は、この時間帯でも問題ありません。
2.取引する指標や手法を決める
FXでは、為替レートの変動に影響を与えるさまざまな指標や手法があります。
例えば、経済指標(GDPや失業率など)、金融政策(金利や量的緩和など)、政治的な要因(選挙や紛争など)、テクニカル分析(チャートやトレンドラインなど)、ファンダメンタル分析(通貨の実力や需給など)などです。これらの指標や手法を使って、為替レートの将来の動きを予測することができます。
しかし、すべての指標や手法を使う必要はありません。むしろ、自分にとって理解しやすく信頼できるものを選ぶことが大切です。また、指標や手法を使う際には、そのメリットとデメリットを把握することも重要です。
例えば、経済指標は市場の期待値と実際の値との乖離によって、為替レートに大きな影響を与えることがあります。
しかし、経済指標は発表されるタイミングが決まっており、市場の反応も予測しにくいことがあります。そのため、経済指標を使う場合は、発表前後の為替レートの変動に注意する必要があります。
一方、テクニカル分析はチャートやトレンドラインなどを使って、為替レートの過去の値動きから将来の値動きを予測する手法です。テクニカル分析は発表タイミングに左右されず、常に利用できるメリットがあります。
しかし、テクニカル分析は自己成就的な性質があり、多くのトレーダーが同じように判断してしまうデメリットもあります。そのため、テクニカル分析を使う場合は、他のトレーダーの動向や市場の状況にも注意する必要があります。
3.取引する金額やリスク管理を決める
FXでは、自分の資金量に応じて取引する金額(ポジションサイズ)を決めることができます。しかし、取引する金額は自分の資金量だけでなく、自分のリスク許容度や取引目標にも関係します。取引する金額が大きければ利益も大きくなりますが、同時に損失も大きくなります。
そのため、取引する金額を決める際には、自分がどれだけのリスクを負うことができるかを考える必要があります。
また、取引する金額を決めたら、それに応じてリスク管理を行うことも重要です。
リスク管理とは、自分が取引中に許容できる最大の損失額(損切りライン)や目標とする最小の利益額(利確ライン)を決めておくことです。
リスク管理を行うことで、自分の感情や市場の動揺に惑わされずに、計画通りに取引を行うことができます。