今回は、投資における重要な概念の一つである「時間分散投資」について、詳しく解説していきたいと思います。
時間分散投資とは、一言で言えば、一度に全額を投資するのではなく、定期的に少しずつ分割して投資する方法です。
例えば、100万円を株式に投資したいとき、一気に100万円分の株を買うのではなく、毎月1万円ずつ10年間かけて買うというような感じです。
時間分散投資のメリットとデメリット
時間分散投資のメリットは、主に以下の3点です。
・ 市場の変動に対するリスクを低減できる
・ 投資心理に左右されずに機械的に投資できる
・ 長期的な積立効果で利益を増やせる
市場の変動に対するリスクを低減できるというのは、一度に全額を投資すると、そのタイミングが市場の高値や安値に当たってしまう可能性があります。その場合、市場が反対方向に動いたときに大きな損失を被ることになります。
しかし、時間分散投資では、少しずつ分割して投資するので、市場の平均的な価格で買うことができます。その結果、市場が上下する中でも、損失を抑えたり、利益を確保したりできます。
投資心理に左右されずに機械的に投資できるというのは、人間は感情的な動物であり、市場が上昇しているときは欲が出て買いすぎたり、下落しているときは恐怖に駆られて売りすぎたりする傾向があります。
これは、買高売安という最もやってはいけないことをしてしまうことになります。しかし、時間分散投資では、決められた金額と期間で自動的に投資するので、市場の動向や自分の感情に影響されずに冷静に投資できます。
長期的な積立効果で利益を増やせるというのは、時間分散投資では、毎回同じ金額を投資するので、株価が下がったときは多くの株を買えて、株価が上がったときは少なくの株を買えます。これは、平均単価を下げる効果があります。
平均単価とは、一株あたりの平均的な買値です。平均単価が下がれば下がるほど、利益率が高くなります。また、時間分散投資では、長期間にわたってコツコツと積み立てることで、複利効果も発揮されます。複利効果とは、利益が再投資されてさらに利益を生むことです。
これは、雪だるま式にお金が増えていくことになります。
時間分散投資のデメリット
・ 市場の上昇に乗り遅れる可能性がある
・ 手数料や税金がかかる
市場の上昇に乗り遅れる可能性があるというのは、一度に全額を投資すると、そのタイミングが市場の安値に当たってしまう可能性もあります。
その場合、市場が上昇すると大きな利益を得ることができます。しかし、時間分散投資では、少しずつ分割して投資するので、市場の安値で買えるチャンスを逃すこともあります。
その結果、市場が上昇しても、利益が少なくなったり、損失が出たりすることもあります。
手数料や税金がかかるというのは、時間分散投資では、毎回売買するたびに手数料や税金が発生します。
これは、一度に全額を投資するよりも多くのコストがかかることになります。その分、利益が減ったり、損失が増えたりすることになります。
時間分散投資を成功させる2つのコツ
時間分散投資は、メリットもデメリットもあります。
では、どうすれば時間分散投資を成功させることができるでしょうか?ここでは、時間分散投資を成功させる2つのコツを紹介します。
・ 長期的な視点で投資する
・ 分散投資を行う
長期的な視点で投資するというのは、時間分散投資は短期的な市場の変動に左右されないようにする方法です。しかし、それだけでは十分ではありません。
市場は長期的には上昇傾向にあると言われていますが、それでも下落する時期もあります。そのような時期にパニックになって売ってしまうと、時間分散投資の意味がなくなってしまいます。
ですから、時間分散投資を行う場合は、少なくとも10年以上のスパンで投資することが必要です。
また、定期的に見直しを行って、自分の目標やリスク許容度に合わせて調整することも大切です。
分散投資を行うというのは、時間分散投資は金額や期間を分割する方法です。しかし、それだけでは十分ではありません。
市場は株式だけではなく、債券や不動産や金など様々な資産クラスがあります。それぞれの資産クラスは相関性が低いことが多く、一方が下落しても他方が上昇することがあります。
そのような時に備えて、複数の資産クラスに分散して投資することで、リスクを低減しながらリターンを高めることができます。
ですから、時間分散投資を行う場合は、株式だけではなく、債券や不動産や金など様々な資産クラスにも少しずつ分割して投資することが必要です。