バイナリーオプションは、為替や株価などの資産価格の上昇・下降を予測して取引する金融商品です。バイナリーオプションで得た利益は、所得税の対象となる雑所得に該当します。
そのため、年間の雑所得が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。
バイナリーオプションの確定申告のやり方
バイナリーオプションの確定申告をするには、以下の手順に従います。
1. 取引履歴を確認する
バイナリーオプションで取引した期間と金額を記録した取引履歴を、取引した業者から入手します。取引履歴には、取引日時、購入金額、売却金額、損益などが記載されています。
取引履歴は、紙媒体やメール、業者のウェブサイトなどで提供される場合があります。
2. 雑所得を計算する
バイナリーオプションで得た損益を合計して、雑所得を計算します。雑所得は、売却金額から購入金額を差し引いた金額です。損失が発生した場合は、その分を雑所得から控除することができます。
ただし、損失の控除は、同じ年度内の雑所得に限られます。また、損失の控除額は、雑所得の金額を超えることはできません。
3. 確定申告書を作成する
バイナリーオプションの雑所得を記入する確定申告書は、「A別表(雑所得等)」です。この書式は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
また、e・Taxというオンラインサービスを利用すれば、パソコンやスマートフォンから確定申告書を作成・提出することができます。確定申告書には、以下の項目を記入します。
・ 氏名・住所・生年月日・マイナンバー
・ 雑所得の種類(「その他」にチェック)
・ 雑所得の金額(損失控除後の金額)
・ 所得税・住民税の納付方法(「納付書」か「口座振替」にチェック)
4. 確定申告書を提出する
確定申告書と必要な添付書類(取引履歴など)を、最寄りの税務署に持参して提出します。または、e・Taxを利用してオンラインで提出します。確定申告の期限は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。期限内に提出しないと、遅延税や罰則の対象となる場合があります。
バイナリーオプションの確定申告の節税方法
バイナリーオプションの確定申告をする際に、節税する方法は以下の通りです。
源泉徴収された税金を控除する
バイナリーオプションで利益を得た場合、一部の業者では源泉徴収という形で税金を徴収される場合があります。この場合、源泉徴収された税金は、所得税の納付額から控除することができます。そのため、確定申告書には、源泉徴収された税金の金額を記入します。源泉徴収された税金の金額は、取引履歴や源泉徴収票などで確認できます。
経費を差し引く
バイナリーオプションで取引する際に発生した経費は、雑所得から差し引くことができます。経費として認められるものは、以下のようなものです。
・ 取引手数料
・ 取引に必要な通信費や消耗品費
・ 取引に関する書籍や教材の購入費
・ 取引に関するセミナーや研修の受講費
経費を差し引く場合は、領収書や明細書などの証拠書類を保存しておく必要があります。
青色申告をする
バイナリーオプションで年間の雑所得が38万円以上になる場合は、青色申告という制度を利用することができます。青色申告とは、自分で帳簿をつけて所得を計算する方法です。青色申告をするメリットは、以下のようなものです。
・ 所得控除額が65万円になる(白色申告では55万円)
・ 特別控除額が10万円になる(初めて青色申告をする場合は20万円)
・ 損失が発生した場合、翌年以降に繰り越すことができる
青色申告をする場合は、事前に国税庁に届出を出す必要があります。また、帳簿や領収書などの証拠書類を7年間保存しておく必要があります。